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2019年1月
〜当院を受診された喉頭疾患の患者さんいろいろ〜

先ずは喉頭の構造の説明になります。

最初に間接喉頭鏡でのどを覗くと見えるのが喉頭蓋です。喉頭鏡を進めていくと披裂部が見え、次に仮声帯、声帯と見えていきます。構造的には下図のとおりです。
ただし、咽頭反射の強い人では喉頭蓋までです。反射の強くない人でもその形によっては見え辛い方がいます。そしてその奥を見るには内視鏡になります。喉頭の内視鏡ではよっぽど反射の強い人でない限りはのどの表面麻酔はしません。以前にも述べたように基本的に耳鼻科の内視鏡は鼻から入れますので、鼻粘膜には挿入時の違和感を少し和らげるために処置薬を塗布します。

痰が多いい方でものどの麻酔をしません。表面麻酔をすると痰の切れが悪くなる場合もありますので、それを考慮しています。

ではこれから当院を受診された方で、喉頭に所見のあったかたの内視鏡所見を供覧します。
 
(1)正常喉頭  
(2)声帯ポリープ(左側) (3)両側ポリープ様声帯
(4)両側声帯結節 (5)右片側声帯炎
(6)喉頭癌 (7)喉頭癌
(8)喉頭肉芽腫(声帯後方) (9)急性喉頭炎
(喉頭全体に淡の付着あり)
(10)喉頭蓋のう胞
(喉頭蓋谷に透明感のある
風船のようなのう胞あり)
(11)急性喉頭蓋炎
(喉頭蓋全体がぶよぶよに腫れている状態)
(12)右反回神経麻痺(右声帯固定)
(13)喉頭蓋ヘルペス
(喉頭蓋谷に大きなヘルペス)
(14)喉頭結核
(下咽頭や喉頭に肉芽様の変化)
(15)喉頭腫瘍(良性) (16)喉頭のう胞
(披裂部がぷくっと腫れている)
 
(17)喉頭浮腫(全体が浮腫状態)  

 

私共の小さな診療所にみえる喉頭疾患の患者さんでもこのようにいろいろのバリエーションがあります。喉頭疾患をすべて網羅したわけではありませんが代表的なものはお目にかけたと思います。