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2019年7月
〜やっぱり怖い喉頭浮腫〜

以前にも喉頭疾患の項目で取り上げた話題ですが、耳鼻科の喉頭疾患で緊急入院を必要とする状態です。
下咽頭から喉頭にかけて浮腫状態になってしまうのですが、その原因としては扁桃周囲炎、喉頭蓋炎などから続発しておこるものや、何か急にのどが腫れた感じがしたため、耳鼻科を受診されてその状況がわかるという方もいらっしゃいます。
原因がよくわからないで下咽頭から喉頭の気管面まで浮腫状態になる場合もあります。何かのアレルギー反応でおこるのでは考えられていますが原因を特定することは難しいです。 呼吸困難になる可能性を考えると、外来で経過を見るわけにはいけません。入院できる施設にご紹介いたします。浮腫による上気道閉塞が一番困ります。そこに粘度の高い痰が絡めばそれこそ大変なわけです。

症例(1)
左の写真は喉頭を上から眺めた所見です。喉頭蓋がぷくっと腫れたような感じです。
右の写真では下咽頭の舌根扁桃を含めて腫れておりその境界がはっきりしません。

症例(2)
左の写真は喉頭蓋谷に泡沫状の粘液が貯まって喉頭蓋と舌根扁桃の区別がつかない状態になっています。
右の写真は披裂部もぷくっと腫れ、仮声帯も少し腫れているようですが声門はまだ狭窄の状態はありません。呼吸は緊迫していませんでした。

症例(3)
左の写真は下咽頭全体が浮腫状態になっており、大変危険な状態です。 右の写真は少し内視鏡を先に進めましたが、この状態で痰でも詰まるようなことになれば 緊急事態です。


<おまけ>

夏も近くなると虫にかかわる出来事が起こります。
今回はつい先日お見えになった患者さんです。
何か三日前より左耳が時々突き刺すように痛いと言われ、私は今の時期だから、外耳炎とかではと思い診察を始めると、外耳道全体に小さな点状の出血点、血豆のような血種が多数ありました。あっ、これは虫が這いずりまわった後だと思い、よーく見ると小さなコバエのような虫が元気にいました。動いたり休んだりしていて、外耳道のポケットのようなところにもぐっているとわかりませんでした。
以前にも同様の患者さんが来院され、動画を撮らせていただきホームページにアップしたことがありますが、今回もご協力いただきここに供覧いたします。
最初に右耳の正常の鼓膜の所見があり、次に虫が鼓膜の真ん中あたりにいる静止画面があります。
最後に虫が落ち着きなく動き回る動画があります。



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