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2015
〜今でも怖い鼻の病気〜

抗菌剤と医療が発達した現代の日本では、副鼻腔炎に伴った重症疾患はほとんど見られなくなっています。今回の患者さんは若い方で、まさか頭蓋内合併症があるとは、思いもよりませんでした。やはりいろいろな状況を考えなければいけません。

その前年も花粉症で来院されていました。

今回は花粉症もあるのですが、左の前頭部から後頭部にかけて痛みがひどくあり、少し副鼻腔炎を伴った状態がありました。当院の単純写真では、右の前頭洞、篩骨洞に強い陰影があり、上顎洞は軽度でした。

前頭洞炎による頭痛かと考えましたが、痛みを強く訴えたので、CTによる精査をすすめました。

結果は左前頭蓋窩にできた硬膜外膿瘍でした。手術的な治療が早急に必要となりました。他の疾患で治療を受けている、大学病院にご紹介いたしました




当院の単純写真



依頼したCT写真






拡大した写真で膿瘍部分を示します。