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2014~15
〜ピアスで困った、困った!〜

ピアスは誰でも一度はしてみたいと思うのが女心だと思います。かくいう私は耳の周りに何かあるのがどうも気になってしまうほうなので、イアリングもピアスもしません。でも女心を否定はしませんので、希望される方には、耳鼻科医として、ピアスの穴をあけさせていただきます。顔の周りを着飾るのもいいですよね。

でも皮膚炎をおこしやすい方、特にアトピー体質の方にはお勧めしません。接触性皮膚炎をおこしやすく、結局、ピアスをしたところがグジュグジュになって、異物反応をおこし、果ては細菌感染まで起こすと、もう駄目です。

ここは未練を持たないで、外していただきます。

先ずは一般的なピアスによる皮膚炎を紹介します。

この方はややアトピーのあるかたで、ピアスをあけたところが腫れてきてピアスが外せなくなったとの訴えでした。ピアス周辺の耳介が腫れてしまい痛くて取れなくなっていました。ピアスのヘッドの部分とキャッチャーの部分にそれぞれペアンをかけて外しました。

次の患者さんは寝ている間にキャッチャーが耳垂部に埋没してしまい、耳垂部の切開を行い摘出しました。下は一連の流れの写真です。

次の方はちょっとおしゃれに、耳珠の部分にしているのですが、耳鼻科医からすると、あまりお勧めできない場所です。ピアス周囲に肉芽が形成されており、外した後がどうなったか不明です。

次の方はシリコンの透明ピアスのheadが耳介の中に入ってしまい取れなくなって来院されました。headの上に小切開を加え摘出しました。

あと、外耳道にキャッチャーや軸の部分が入ったりして、外耳道の異物で来院される方もいます。


≪おまけ≫

前回の耳や鼻の異物の続きと考えてください。

寝ているときに耳元でゴソゴソとした音がしてそれ以来、耳の異物感がとれないとの訴えでお見えになりました。

耳の異物の種類として小さな昆虫類が紛れ込むことがあります。今回の方は、耳の穴の中に頭を突っ込んで、退却できない状態で絶命していたゴキブリでした。小さな卵からかえったばかりのようなゴキブリの方は以前に何人かいたように思いますが、今回の方は大物でした。

患者さんはかなり恥ずかしがり、私たちは「ウォーッ!」でした。