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2010〜2011
鼻の中の大きなポリープについて

nasal polyp は日本語で鼻(び)茸(じょう)(はなたけ)とも言います。ラテン語で軟体動物のクラゲの意味で、外観が寒天みたいだからです。

ポリープといっても腫瘍ではなく、慢性の鼻炎や副鼻腔炎の分泌物による局所的シゲキのために粘膜が浮腫状に肥厚して生じた炎症生産物です。外来でみていると、普通の鼻茸は自覚的な鼻の症状がない患者さんでもときどき鼻鏡検査で見られます。

今回は後鼻孔ポリープといって、上顎洞より発生して鼻の後ろ、上咽頭に垂れ下がり、両側鼻腔にまたがって存在した大きなポリープの患者さんについて供覧します。

下の図は耳鼻咽喉科の教科書からお借りした後鼻孔ポリープの成長過程を示しています。

下の写真(1)〜(3)は3人の患者さんの鼻腔内視鏡の写真です。患者さんの主訴は皆鼻づまりです。光源をあてて鼻鏡で鼻の中を覗き込むと、鼻の奥のほうに透明感のある灰色っぽいものがちょっとみえます。鼻粘膜を収縮剤で収縮させると少し見えやすくなります。

治療としては、アレルギーも関与している場合は、抗アレルギーの薬も加えて消炎酵素剤などを投与しているといくらか小さくなる場合もあります。CT scan等の検査も他院でしてもらい、かなり大きい場合は手術的治療を勧めています。やはり鼻呼吸に支障ある状態というのは全身に悪影響を与えます。

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