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●耳鼻咽喉の季節の話題


2009
耳鼻咽喉科の外来で使う器械類について

耳鼻咽喉科の診察を受ける時、先ず皆さんは診察用の椅子に座ります。耳鼻咽喉科は耳、鼻、のどの5つの穴を覗き込みますので、その椅子は左右・上下に動き、患者さんの頭に合わせて枕の角度が変えられます。まるで美容室や床屋さんの椅子みたいですが、それよりは、かなりいろいろと体位の変換ができます。処置中に気分が悪くなる方もいますので、すぐに水平位にすることもできます。めまいの状態を見る時に体を仰臥位から座位にもっていたりもします。次に椅子の隣には、いろいろの器械類のおいてある診察台があります。器械類を置くだけでなく、治療に必要な吸引、通気をするためのエアがでる管、鼻やのどの処置などに使うスプレー類も整っています。また、処置薬が入った小さな薬瓶類などです。診察を行うには、今は昔ながらの額帯鏡は使わずに、LEDによるライトを使っています。光力が強いので、視力の弱くなった私は愛用しています。

では診察台の中を覗いてみましょう。これは当院の診察台です。どこの耳鼻科も同じようだと思います。上が全体像で下が中の器械や薬液瓶です。




上の写真の椅子が診察用の患者さんの椅子です。器械類は左上の方に子ども用の吸引管とその下に外来診察ですぐに使う鉗子類などが置いてあります。右上は耳鏡類で大中小とあり、黒い特大の耳鏡もあります。下の方が鼻鏡で大と小があります。小さいお子さんでは耳鏡を代用して鼻をみることがあります。診察台の上はゴチャゴチャとしていますが、吸引管、鑷子類、消毒用綿、拡大耳鏡、処置に使う耳や鼻の綿棒、咽頭捲綿子(へんとう腺炎の強い時、主にルゴール液を塗布するために使います)、舌を押さえるためのしっかりした紙、ティッシュペーパーなどがあります。



次にいくつか外来診療で頻用する器械類を紹介します。こんな形なんだと思って下さい。



耳鏡の類です。
下はルーペを接続させて、拡大して耳の中を見る拡大耳鏡です。鼓膜の所見を見るのに重宝します。

左は耳垢鉗子、右は耳用の異物鉗子。

左から咽頭捲綿子、鼻用綿棒、耳用綿棒、市販の使い捨て綿棒。耳だれのふき取りなどには普通の使い捨て綿棒を瀕用しています。

鼻鏡の大小です。普段の診察に使うもので、他にも長鼻鏡などもあります。

鑷子類で、耳鼻科の鑷子は膝状鑷子と言って、途中で曲がっています。細長い所にあるものを掴んだり、細長い所にものを入れたりするのに使います。長いほうが鼻用、短いのが耳用です。右は普通の摂子です。

吸引管類です。左はローゼンの吸引管と言って中耳炎などの分泌物を吸引したりします。鼓膜の穿孔部を通して中耳の中にいれたりします。中3つは鼻や耳の中の分泌物の吸引に使います。右端は小児用の吸引管で鼻の分泌物を安全に吸い取ります。奥のほうには入れることはできません。

喉頭鏡といって、のどの奥をのぞきます。額帯鏡の光を鏡の面に反射させて奥の所見を間接的に観察します。反射の強い人や、喉頭蓋のかたちの伏せている人では見ることは難しいです。

舌圧子3種類です。左はフレンケル型で舌を強く押さえるのに使います。大小あります。真ん中のは一般的な金属製の板状舌圧子です。右は使い捨ての木製です。

左は大きめの鉗子、真中は唇にかけて上顎を観察する鉤です。右は下咽頭や喉頭の異物を掴む鉗子です。

ポリッツェル球は子供の通気治療に使います。右は通気管です。大中小あります。

耳や鼻に入れる綿球やガーゼ類です。

診察台の側面です。左から通気用のオトスコープ、通気用のゴム管、吸引用のゴム管です。

 

当院のネブライザーです。耳鼻科の治療でのトップです。はなやのどの炎症を和らげるために霧状の薬液を吸入します。
それぞれの医院での秘密の?調合があります。

 

以上が耳鼻科の普通の診察で登場する細かい器械類です。耳鼻科って、スマートな診察室というわけにはいきません。

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