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●耳鼻咽喉の季節の話題


秋2005
【インフルエンザ予防接種について】

  インフルエンザは5〜14歳の罹患率が最も高く、秋から春先にかけて毎年流行します。インフルエンザに罹患すると、肺炎、気管支炎のほか、脳症、心筋炎、中耳炎などの合併症もあって、大きな被害や生命の危険がありますから、決して軽い病気ではありません。
ワクチン接種で血液中の抗体価を高めておきますと、インフルエンザの罹患が防止でき、たとえ罹患しても発熱などの症状が抑えられ、合併症や死亡する危険から守られるため、接種が必要です。
しかし、ほとんどのインフルエンザは安静によって回復し、生命にかかわることは少ないと考えられていますが、高齢者や、基礎疾患を有する患者さんでは、先のような合併症を引き起こしたり、重症化する可能性は高くなります。インフルエンザによる死亡者はそのほとんどが65歳以上の高齢者です。
ワクチン接種を受けたのにインフルエンザにかかってしまったということがありますが、確かにワクチンの効果は80%ぐらいといわれています。でも、一人ひとりがワクチンの接種を受けて、インフルエンザの罹患を防止し、集団内へのインフルエンザの侵入を阻止することによって社会防御の役割が期待されます。ワクチン接種をしても罹ることがあるからといって、接種を受けませんと、万一インフルエンザに罹患して、登校や、入学試験、卒業式、スキー合宿などを受けることができなくなります。最近は、よいお薬が開発され、適切な時期に適切な診断を受ければ、軽い症状ですむ場合も多くなりました。でも、何日かは、病気で苦しまなければなりませんし、他への感染によって大きな社会的被害が発生することもあります。
ワクチン接種は1回でも、抗原の変異の程度が少ない場合では、かなりよく抗体は上昇しますが、2回接種でさらに上昇します。接種時期としては、12月中に2回目の接種が終了するような接種計画を立ててください。1回目と2回目の間隔は1〜4週間です。1番ベストは、4週間の間隔を置くことです。抗体産生や持続もよいようです。
また、インフルエンザウイルスは毎年変わりながら流行しますので、前の年に受けたからといって、次の年は必要ないということはありません。連続接種が必要です。
以上を踏まえて、当院では下記のように行われています。

65歳以上の高齢者に対しては、第1回のインフルエンザ予防接種に対して補助金が各市町村から支払われます。一般の方の接種料金とは異なり、窓口での支払い分は少なくなります。ただし、2回目の接種に対しては全額自己負担となります。
一般の方の予防接種に対しては、全額自己負担となり、保険外診療となります。基本的には1回接種でもある程度の予防率が得られますが、集団生活を送っている幼児、学童には2回接種をおすすめします。また、受検を控えている方にも2回接種をおすすめします。
ただし、流行株の見込み違いや、インフルエンザウィルスに対する免疫が十分に獲得されなかったために、不本意ながらインフルエンザにかかってしまう方が毎年何人か見受けられます。その点はご了承ください。予防接種を希望される方は必ずご予約ください。希望人数に応じてワクチンを入荷します。
「備えあれば憂いなし」
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