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Q.111 耳鼻科領域での逆流性食道炎の症状とは
A.111

胃内容物の逆流によって不快な症状や合併症を起こした状態で、耳鼻咽喉科領域の疾患では咽喉頭酸逆流症です。症状としては、咳と痰が続く、咽喉の違和感や灼熱感がある、異物感がある・・・etc。

定型症状として胸焼けや呑酸、胃もたれなどがあって、胃カメラで食道炎の症状があれば確実です。

耳鼻科的な所見としては、特に長い経過の方では、食道入口部より流出した胃酸のために耳痛や頭痛、後鼻漏、咽喉の違和感、痰、声枯れ、慢性的な咳、そして声門後部に肉芽形成があれば、絶対的です。

下の写真は典型的な患者さんの喉頭所見です。

両側声帯後方に白っぽい肉芽形成がありました。

頑固な咳や、喉頭の異物感が続くような方では胃酸逆流症の可能性も考慮しなければなりません。





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Q.112 再度、耳垢について
A.112

某薬品メーカーから頂いた
患者さんへの 啓もうパンフレットで
良いのがありましたので
ここに掲載させていただきます。



毎日必ずと言ってよいほど、耳垢が詰まってお見えになる方がいます。あかちゃんからお年寄りまで、若い方でも驚くほどの耳垢がごっそり取れることもあります。
早めの受診をお勧めします。不愉快な耳の症状が取れ気持ちが明るくなります。

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Q.113 年を取ってきたら鼻水が出やすくなったのですが
A.113

これはいわゆる老人性鼻漏かもしれません。

花粉症などの症状と同じように、水溶性の鼻漏がでてくるものの一年中起こりやすいのですが、特に熱いものを食べたりすると如実に起こりやすくなります。 もちろん、若い方でもラーメンなどを食べると鼻水が垂れてくることがあり、メカニズムはほぼ同じです。くしゃみや鼻閉を伴うことは少なく、「朝起きると鼻汁が出て鼻をかむことが多く、昼間は症状が落ち着いている」と症状を訴えます。

鼻粘膜の機能としては加温・加湿機能があるのですが、そればかりでなく高温・多湿な呼気を冷却し、呼気中の水分を再吸収しています。またこれは逆にもいえることだと思います。

加温された空気中の水分は鼻内粘膜で冷却されて、その水分が鼻粘膜から吸収もされるのですが、鼻粘膜の機能が低下していると、吸収されない分が水分としてでてしまうのです。こういう方の鼻粘膜はアレルギー性鼻炎の方のようには、腫脹はしてなく、むしろ萎縮傾向にあります。

ただ、若いころから花粉症などの症状を伴っていると、なかなか老人性の鼻炎もあるとも言えず、なんとなく表現は曖昧になってしまいます。血液検査をしても何も反応ない方では、まさに老人性鼻炎としか言えない場合があります。

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Q.114 耳の中でゴソゴソ音がするのですが・・・?
A.114

このような訴えの患者さんの耳を診察すると、鼓膜に直径が数ミリの耳垢が付着していたり、細い毛が1本接していたりして、体動時や嚥下時に耳の中で、ゴソゴソした音が発生します。ただ、その不愉快な症状のため耳をいじくったりしていると、外耳道に傷をつけている場合もありますので、注意してください。

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Q.115 危険なめまいとは
A.115

一般的なめまい症状、回転性のぐるぐるしためまいとか、体が揺れるような浮動感とか以外の症状で、下記のような症状を伴うときです。

  1. 激しい頭痛に伴うめまい
    脳の血管に異常をきたし出血している可能性もあります。
  2. 意識障害を伴うめまい
    耳からくるめまいでは、意識がなくなることはありません。
  3. 手足のしびれを伴うめまい
    運動麻痺を伴っているのは中枢性です。
  4. 呂律が回らなくなる言語障害を伴うめまい
  5. 物が二重に見える複視を伴うめまい
患者さんは吐き気とか嘔吐症状を非常に重要な症状としてとらえられ、強くその症状を訴えますが、末梢性のめまいでも、中枢性のめまいでもこの症状は伴います。

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Q.116 耳管開放症について教えてください。
A.116

なかなか厄介な疾患です。以前に耳管機能検査について述べたように耳管の機能不全の病態ですが、症状としては下記のようになります。

新耳鼻科学書によると、耳管の管腔は平静時は閉塞しており、嚥下、あくびなどに際して解放される。これが常時開放されていると様々な症状を呈する。なお、耳管を閉鎖する筋肉はなく、耳管は周囲の組織圧により閉鎖されている。

原因としては、体重減少による耳管の周囲組織の減少、神経疾患で鼻咽頭粘膜の萎縮した場合、経口避妊薬の服用、耳管咽頭口の瘢痕(アデノイド切除後)などによる。経口避妊薬については、他の文献でも言及されていますが、どういう機序で起こるのかは、私には明確には説明できません。経口避妊薬に含まれるホルモンによる影響と考えますが…。当院にお見えになる方では、あくまでも私個人の印象ですが、比較的若い女性に多く、心身のストレスによりやや自律神経機能に問題があるのではとおもいます。

症状としては自分の声が強く聞こえる(自声強調autophony)、呼吸音も聞こえる。耳閉塞感を伴う。頭を下げると症状が軽減するが、これは耳管周囲の静脈、リンパ管のうっ滞による。

鼓膜は正常である。

治療としては上記の原因となる状態を除く。耳管内に薬液を吹き付け、粘膜の腫脹による管腔の狭小化をはかる。シリコンのピンを耳管へ挿入することも試みられている。

なかなか上記のような治療法は一般の外来では試みることは難しいです。また、確立された治療法もなく、一部では加味帰脾湯などの漢方薬が効果があるといわれ投与される場合もある。


なお、日本耳科学会の「耳管開放症診断基準案2016」の提案は下記のようになります。




耳管開放症診断基準案2016

確実例;1+2+3
疑い例;1+(2or3)
  1. 自覚症状がある
      自声強聴、耳閉感、呼吸音聴取の1つ以上

  2. 耳管閉塞処置(AまたはB)で症状が明らかに改善する
      A.臥位・前屈位などへの体位変化
      B.耳管咽頭ロ閉塞処置(綿棒、ジェルなど)

  3. 開放耳管の他覚的所見がある(以下の1つ以上)
      A.鼓膜の呼吸性動揺
      B.鼻咽腔圧に同期した外耳道圧変動
      C.音響法にて(1)提示音圧100dB未満または(2)開放プラトー型

注釈
  1. 診断基準案2016使用にあたっての一般的事項
    • 数回の診察後に初めて診断が確定できることもある。
      例1)初診時は疑い例(1+2または3)。再診時に2または3が追加されて確実例(1+2+3)。
      例2)初診時は該当せず(1のみ)。再診時に疑い例(1+2または3)。

  2. 「耳管閉塞処置による症状の明らかな改善」について
    • 耳管開放症は、耳症状があるときに開放した耳管を閉塞することで、症状が消失または軽減するはずである。この所見が無ければ耳管開放症は否定される。(例えば、急性感音難聴の後遺症などとしてみられる自声強聴では、 耳管閉塞しても症状の著明な改善がない)
    • 前屈位または仰臥位への体位変化(2A)も耳管閉塞処置の一つといえる。ただし、一部の開放耳管では、仰臥位でも耳管が閉塞しない(2A陰性)症例がある(数%)。この場合、2Bを確望することで陽性と診断できる。
    • 2Aは問診で行えるため、受診時に症状がない患者でも、問診から判定可能である。
      耳症状が明らかに軽減すると患者が述べた場合を2A陽性とし、答えがあいまいな場合は不明とする。
      その時点で耳症状があり、かつ答えがあいまいであれば、実際に診察椅子を倒して仰臥位とした後に再度問 診し、陽性・陰性の判定をするとよい。
    • 受診時には症状がなく、答えもあいまいで判定不能とした場合も、体位変化に伴う症状変化が本症の診断に重要なことを患者に伝え、次回の受診時に再度問診することで明瞭な答えが得られた場合、2A陽性とする。

  3. 「他覚的所見」について
    • 鼓膜の呼吸性動揺の確認は座位で行う。内視鏡または顕微鏡を用いる。検側の鼻孔での深呼吸を指示し、その間、ロは閉じ、他側の鼻孔は指で閉鎖する。
    • 鼓膜が内陥している場合や、鼻すすりにより耳管ロックがある場合には、自己通気(耳抜き)や低圧での耳管通気を行い、鼓膜内陥を解除してから検査すると陽性所見が得られやすい。
    • 3Bは耳管機能検査装置のTTAGモードやインピーダンスオージオメータのSRモードを利用して検査できる。

  4. その他(「疑い例」において鑑別すべき疾患)
    • 臥位や前屈位での耳症状の軽減は、上半規管裂隙症候群、外リンパ瘻、脳脊髄液減少症などでも起こりうる ため、他覚的所見(3AまたはBまたはC)を欠き、「疑い例」と診断する際には、これらの疾患を除外することが望ましい。


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