今年は花粉の飛散量が非常に多く、不快な花粉症状を訴えて来院される患者さんが大変多くいらっしゃいました。一昨年、去年と花粉の量も少なく花粉症が治ったと考えていた方もいたようですし、今年花粉症デビューした患者さんもいます。
皆さん鼻の粘膜はグチュグチュになっていて、眼の周りの皮膚も少し赤くかさかさになっていたり、白目も赤く充血して、鼻の入り口はたびたびこすっているか、鼻をかんでいる為か、赤くすれています。そして中には鼻中隔粘膜がびらんして出血した痕もみうけられます。もちろん症状の軽重はそれぞれで違いますが。
近年花粉症の患者さんは増加傾向にあり、従って、薬の種類も多種類あります。患者さんにどの薬を使用するかは、Dr.の経験によりいろいろを組み合わせていきます。今年は1種類の抗アレルギー薬では症状の押さえ込みが難しく、抗ヒスタミン剤を加え2種類、あるいは3種類の内服薬に点鼻薬を組み合わせて投与した患者さんが多くなっています。
個人的な経験では、抗アレルギー薬の季節前投与は効果があります。
患者数は2月頃から予防薬投与も含めて去年より出だしは多かったのですが、特に東日本大震災直後は、たわわについた花粉が地震の揺れでどっと空中に散布され、雨と一緒に地面一面が黄色くなるほどでしたので、その後から症状がひどく出てきた患者さんも多かったようです。
下の図は某製薬メーカーの抗アレルギー薬の一覧表です。最新版ではないのでその後発売されたものもありますし、また、いわゆるジェネリックといわれるものは掲載されていません。
他院の薬が効かないといって来院される方(お薬手帳を忘れたり、薬の名前が分からない方)には、この一覧表を見ていただき、該当する薬を示してもらいます。そして医者の匙加減をして処方します。これが効かないようでしたら、次回来院時にその旨言っていただき、次なる一手を考えます。試行錯誤します。これがhitすれば、来年もこれで行きます。
即効性の抗ヒスタミン薬は眠気や、口渇、腺分泌の抑制をしますので、精神神経科系のお薬を内服している方や、緑内障、前立腺の病気がある方、喘息の発作時には使用できませんので、注意が必要です。いわゆる総合感冒薬にはこういった成分が含まれることもありますので要注意です。
薬の効き方は個人差がありますので、眠気などの副作用の頻度が少ないといわれる薬でも、その症状を訴える患者さんはいます。それぞれの薬のセールスポイントを踏まえて、処方していきます。
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