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Q.21 のどがつまった感じがここしばらく続いてます。
A.21  いろいろの原因が考えられますが、先ずは状態をはっきり確認しましょう。
鼻とかのどとかの炎症性のものか、アレルギー性のものか、逆流性食道炎のようなものか、何か腫瘍ができているのか、神経的なものか局所をしっかり耳鼻科で確認してもらいましょう。今は内視鏡によって局所の把握が正確にできます。

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Q.22 アレルギー性鼻炎の検査を受けたいのですが、お金がかかりますか?
A.22  13種類の抗原の検査までは、保険がききます。お話を伺って、怪しげなものをピックアップしていきましょう。なるたけ少ない負担で大きな情報を得るようにしたいものです。

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Q.23 溶連菌感染症ってどんなものですか?
A.23  集団生活を送ってる、幼稚園児や低学年の小学生に時々見られます。やはり冬場に多い感染症です。耳鼻科ではおもに、溶連菌による、咽頭炎、扁桃腺炎を取り扱います。
症状としては、
1、 咽頭炎・扁桃腺炎
発熱、咽喉が痛い、のどが赤い、扁桃腺に白いものがつく。
2、 口蓋粘膜の点状紅斑、点状出血斑
口蓋垂、いわゆるのどちんこを中心に赤い小さな点状の出血斑が認められます。
3、 イチゴ舌
舌の表面が、イチゴの表面のようになることがあります。
4、 全身発疹
小さい発疹が多数出現します。
ない方も多いです。
5、 皮膚落屑
いろいろな症状が消えた後で、手足の皮がめくれます。

その他、頭痛やだるさなどの発熱に伴う症状が見られますが、せきや鼻水などの一般的な風邪症状は、あまり見られなく、下痢などの消化器症状もあまりありません。当院にこられるパターンとしては38度台の発熱があって、のどがとても痛い。でもあまりせきや鼻も出てないといった症状で来院されます。のどを見ると先に述べたように特徴的な咽頭所見があります。確実な診断には、綿棒でのどの菌を採集して、溶連菌かどうか5分で診断できます。ただし、これ以前に抗生剤を内服していると、臨床的には、溶連菌症でも陽性に出ない場合があります。
溶連菌症の合併症としては、一般的な感染症と同様に中耳炎や、気管支炎、リンパ節炎、副鼻腔炎などがありますが、一番心配なのは急性腎炎、リウマチ熱、血管性紫斑病などです。溶連菌感染は、普通、抗生剤を2〜3日飲めば、収まりますが、これらの合併症を防ぐために、10〜14日間、抗生剤を飲むことが勧められています。
溶連菌は飛まつ感染しますから、家族内でもうつります。小さい兄弟がいる場合は注意が必要です。もちろん大人もうつります。潜伏期は2〜5日です。
お薬はきちんと飲んでください。ペニシリン系の抗生剤を飲んでいただきます。症状がないからといって、途中でやめたりしないでください。1週間ぐらいして、再発するばあいがあります。登園・登校についてですが、熱がなく、発疹なども消え、元気になったら、診察をした上で、許可します。
あと、2〜3ヶ月まえにも溶連菌症になりました。とか、去年もなりましたという方がときどきいますが、同じ溶連菌でも少しずつちがいがあり、別の溶連菌にかかることがあります。ちなみに、4〜5回、一生涯にかかる可能性があります。
予防としては手洗いやうがいを習慣付けましょう。
それから、家族内で同じような症状がでたら、溶連菌症の可能性がありますから、必ず受診してください。

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Q.24 ときどき、めまいがおこります。そういうときはどうしたらよいですか?
A.24  一般にめまいやそれに伴う吐き気、嘔吐は一時的であり、過度に心配する必要はありません。おうちの方もあわてないで、落ち着いて対応しましょう。
先ずは、頭を低くして、仰向けに寝かせて、安静にして様子をみましょう。吐き気や嘔吐のある場合は、体ごと横にしてください。それでもめまいがなかなか治まらない時には、医療機関を受診してください。
ただし、めまいのほかに強い頭痛や意識がなくなったりしたり、言語障害、半身の脱力感や、しびれ、視野障害がある場合は、脳の疾患が疑われますから、すぐに救急車を呼んで、医師の診察をうけましょう。

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Q.25 老人のめまいについて。
A.25  今は老人といってもまだまだお若い方が多いですが、足腰の衰えとか、加齢による影響のため、重心動揺検査、歩行検査、眼振検査などの平行機能検査は、あまり評価できません。また、聴覚検査や耳鳴検査も年齢による個人差も大きく、めまいに関係するものか、判断に困ることがあります。私個人的な考えではありますが、CTとかMRIで異常がなく脳神経的に問題なければ、命に大きく影響をきたすようなものはないと考えます。70歳以上の方の“めまい”はおおかた、体位の変換により誘発されるものが多く、持続時間は数秒から数十秒の一過性のめまいです。体位変換による脳血流の障害をしめし、椎骨脳底動脈循環不全症や、起立性低血圧が考えられます。内科で血液検査で異常がないから、三半規管の異常だから、耳鼻科で見てもらうようにといわれてこられる老人が多いですが、耳鼻科で診断といわれても、検査もあまりできなく診断に困ることがあります。おそらく内科の先生も、この漠然とした病気に手こずっているのかもしれませんが‥‥‥。

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Q.26 予約診療はしていますか?
A.26  トップページでも書いてあるように、当院は予約制をとっていません。世の中は予約の時代だというのに、時代に逆行しているように思われますが、耳鼻科の患者さんは、再診の方が多く、すでに治療方針も決まりそれほど時間もかからずに診察できます。初診の患者さんではなるたけていねいに病状を説明して、納得いくように時間を配分したいと考えています。風邪引きの多い時期や花粉症の時期はお待たせする時間があるかと思いますが、受付時間内に受付された方には、お断りしないで診察するようしています。ときどき予約制をとってるところの予約が取れのないとの理由で、当院にみえるかたもいらっしゃいますが、歓迎してます。それぞれの医院が異なった診療時間や診療日、診療形態をとっていますから、ご自分の都合のよい医院を選ばれればよいと考えます。

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Q.27 飛行機に乗ると耳がふさがったり痛くなることがあります。これを防ぐにはどうしたらよいですか?
A.27  飛行機の離陸・発着で上昇・下降すると、急に外界の圧力が変化して、鼓膜の内側の中耳圧と外界圧に差が生じ、このために耳がふさがったようになったり、痛くなったりすることがあります。上昇のときは中耳圧が外界に比べて陽圧になり鼓膜が外側にひっぱられます。また、下降のときは、この逆で外圧の方が高くなり、中耳側に鼓膜が引っ込むようになります。このときに、上記の自覚症状がみられます。
このような状態になった時、以前から耳管を通して中耳に空気を送り込む力が弱い人、また、風邪などを引いて、耳管の働きが弱っている人は、外界圧の変化に追いつけず、症状が持続したり、悪化したりして、中耳粘膜から出血したり、滲出液がしみだしたりして、いわゆる航空性中耳炎になることがあります。
予防策としては、外界の気圧変化に追いつくために、飛行機が上昇したり下降したりする態勢に入ったら、自覚症状が出る前に耳管が開く運動を何回もすることが大切です。唾液を飲んだり、水を飲んだり、ガムをかんだりしながら、嚥下運動を何回も行い、耳管が開くようにします。それでもだめな時は両方の鼻をつまんで、鼻を強くかむときの要領で耳抜きをします。ただし、このとき、なかなか耳抜きができない場合や、耳の痛みを伴う場合には無理にしないでください。

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Q.28 外耳炎と中耳炎の違いについて。
A.28  耳の構造は、簡単に言えば、耳の穴の突き当りには、鼓膜があってその手前が外耳道で、それより先の空洞が中耳腔です。基本的には鼓膜がありますから、この2つの間はつながってません。子供が耳を痛がって耳だれが出ている場合は、先ず心配なのは中耳炎ですが、症状からだけでは診断が困難な場合があります。耳鼻咽喉科で診断してもらわなければなりません。
外耳炎には、湿疹や耳の傷が化膿したものなどがあります。また、ご家族が一生懸命耳垢をとりすぎて傷がついて痛くなったり、出血したりすることもあります。その病気の程度によって治療がことなります。小さな傷で感染がなければ、そのまま触らないようにして傷が固まれば問題ない場合もあります。外耳炎もひどくなると耳の周りまで腫れて、いわゆる耳介周囲炎をひきおこし、痛みも強くなかなか治るのに時間がかかる場合があります。また、耳垢づまりのため、それに湿気が加わり、細菌も潜んで、外耳の皮膚の炎症をおこすことがあります。夏には多くなります。
中耳炎には慢性中耳炎と急性中耳炎があります。急性中耳炎は一般的には風邪に伴っておこります。鼓膜がしっかりあれば、耳垢づまりで中耳炎をおこすことはありません。
ただ、外耳炎も強いと鼓膜に炎症を起こし鼓膜炎の状態になることはあります。慢性の中耳炎ではあまり耳の痛みはありません。難聴や耳だれが長く続き、経過がながく、鼓膜の穿孔をともないます。また、滲出性中耳炎といって、急性中耳炎と慢性中耳炎の間に位置づけられるような中耳炎もあります。

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Q.29 子供がよく耳をいじってます。何か病気でしょうか?
A.29  何か耳が気持ち悪くていじっている場合と、くせでいじっているばあいとがあります。こればかりは耳鼻科医で診察を受けてください。この場合、小さいお子さんでは耳垢がつまっていて、中の所見がとれない場合があります。たかが耳垢、されど耳垢で、石のように固まってその場の処置では到底とれない場合があります。保護者の方は耳垢ごときが何故すぐにとれないのかと、けげんにおもわれるようですが、後日来ていただき除去したときに、いっぱいの耳垢に驚きの声を上げる場合もあります。
無理にとろうとすると、子供は恐怖と痛みで動き泣きます。職員と保護者の大人4人がかりで、子供を押さえて耳垢を取るという場合もままあります。この場合は、耳垢水という耳垢をやわらかくするお薬をおうちで点耳してもらいます。回数やつけ方は職員が説明したり、調剤薬局で指導します。暴力的なやり方で耳をきづつけないで、安全なやり方で私も処置したいです。

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Q.30 子供の耳の下がまた腫れました。おたふくかぜでしょうか。
A.30  おたふくかぜは、ムンプスウイルスの感染によって、おもに耳の下の耳下腺が腫れることが多いので流行性耳下腺炎とも呼ばれています。しかし腫れるのは耳下腺だけでなく、あごの下の顎下腺や舌下腺もはれることがあります。大体の人は両側の耳下腺が2〜3日の間隔を置いてはれることが多いです。でも中には、片方だけの場合や、腫れがはっきりしないばあいもあります(不顕性感染)。
おたふくかぜは1度かかるとほとんどの人の人は終生免疫が成立しますので、ムンプスウイルスによる耳下腺炎の反復はほとんどありません。でも、耳下腺が腫れる病気はほかにもあり、以前におたふくと診断されたのが本当におたふくだったのかはっきりしない場合もあります。原因はよくわからない反復性耳下腺炎や、化膿耳下腺といって細菌感染による場合もあります。また、その他のウイルスによって耳下腺がはれるばあいもあるようです。
もし、お子さんのおたふくの既往がはっきりしない場合や、今回はどうなのかをはっきりさせるためには、お近くの医療機関に相談して血液検査を受けて、ムンプスウイルスの抗体価を調べてもらえばはっきりすると思います。その結果おたふくにかかっていないことがわかれば、予防接種をお勧めします。予防接種による副作用もありますが、自然感染による重大な疾病を伴う頻度は少ないと考えられます。ムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎、ムンプス難聴、膵炎、卵巣炎、睾丸炎などがあります。
中には予防接種を受けていても十分な免疫が獲得されていない場合もあります。残念ながら、予防接種をしたのにおたふくになってしまうかたもまれにあります。
ムンプスの治療方法には特殊なものはなく対症療法で経過をみます。集団生活を送っているお子さんでは耳下腺の腫脹が取れた段階で出校許可を主治医に判断してもらいます。

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